老視

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長生きすると例外なく誰もがなるのが老眼です。ここでは老視と呼ぶ事にします。
ご存知のように新聞や雑誌を読むときに細かい文字が見ずらくなってきます。
人の目は近くの物を見るときに強い調節力を必要とします。
ところが年齢と共に目の調節力が低下してくるので近くが見えずらくなるのです。
残念ながら手足の筋肉と違い目の調節力は鍛える事が出来ないので日頃の
生活習慣とは関係なく老視になります。人類はみな平等に・・・(^_^)です。
処方としては近くを見るときに凸レンズの入った近用のメガネ、
いわゆる老眼鏡を使うことになります。
最近では遠近両用メガネも多く普及しています。
いちいちメガネを掛けかえるのが面倒な人にはお勧めです。
老視の屈折状態のアニメはこちら

<なんで調節力が弱くなるの?>

これは人間の目の構造的欠陥によるものです。
人間の目の調節機構はエンジンのバルブ開閉機構に似ています。
通常の4サイクルエンジンはバルブを開けるのに
エンジン→カムシャフト→ロッカーアーム→バルブという具合に力を
伝えていますが、バルブが閉まるときはスプリングの力だけで戻ります。
つまりバルブを開ける方向にしかエンジンの力が伝わらず
バルブを閉める方向には積極的にエンジンの力を使っていません。

左図の印と印 をそれぞれ下方に
ドラッグ&ドロップして動きを見て下さい。

の左のバルブは正常な状態ですが
の右のバルブはスプリングの復元力が
弱くなっています。
そのためバルブが完全に閉まりません。
修理するにはスプリングを取り替える
必要があります

一方、眼の調節力は水晶体の形を変えることで得られます。
その構造は左図のようにドーナッツ状の毛様体水晶体チン小帯
というワイヤー状のもので繋がっています。
●遠くを見るときは
毛様体が緩んで輪が広がる
チン小帯が引っ張られる
水晶体が扁平になる
●近くを見るときは
毛様体が緊張して輪が縮む
チン小帯が緩む
水晶体が弾力で復元して膨らむ
つまり水晶体をへこます方向にしか力が伝わらないので、
水晶体を膨らます方向には積極的に力を伝えられない構造になっているのです。

つまり、老視とは経年変化により水晶体の復元力がなくなる現象です


左図は水晶体を吊るした状態のモデルです。
左が正常の水晶体
右が老視状態の水晶体です。
力を加えない無調節の状態では
老視状態の方がカーブが緩やかで
凸レンズとしての度が弱いのがわかります。
下端のを下方にドラッグして離してみて下さい。
水晶体の弾力性の違いが分かると思います。
この紐はチン小帯に相当しています。
右の水晶体も下から押し上げてあげれば
左と同じ形になるのですが、紐なので
引っぱる方向にしか力が加えられないのです。

水晶体の弾力が年齢とともに弱くなって
きますから水晶体が復元しなくなってきます。
そのためレンズの凸カーブが足りなくなり
近くに焦点が合わなくなるのです。

右下のボタンをクリックすると両方同時に引っ張れます
わかりやすくするために変形の度合いはデフォルメしてあります。
ところでドゥカティというイタリア製オートバイの
エンジンにはデスモドロミックという強制開閉バルブ機構
が採用されていて、バルブを閉める際にもエンジンの力を
使っています。人間の目もデスモドロミックなら
老視にはならないのですけれどね
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